2013年11月29日金曜日

33. 香港

33. 香港

朝起きる。宿を変える。アショカゲストハウス。

今日はぐうたら過ごすことに決めた。

だが!問題はゲストハウスのラウンジで起きた。

ちょっとした手違いと、融通の聞かない旅行会社のせいで、今日の深夜にはカルカッタに居ることになってしまった。

13日のチケットを取った。と思いきや、11日のチケットを予約してしまったのだ。
確かに、13日だと思ったのだが。

緊急電話番号に電話するも、出ない。チケットが変えられない。


ああああああああ


もうどうなっても良い。インドに行ってやる。インドで旅をやり直す。リセットだ。狂った歯車を組み立てなおすのだ。

それにしても、どうしてこうもゆっくりさせてくれないのだろう。何が悲しくて香港に立ち寄ったというのだ。香港らしさを何も見ていないし、感じていない。まるで、スイミングプールに来て泳がずに帰るようなものではないか!香港に着いたというアリバイすら作れないようなものだ。


目的は果たせそうにない。英語を喋るべき欧米人の親友はできていないし、まして絵すら書いていない。観光すらままならない。上っ面の視察で、何が分かると言うのだ。
いつからか生じた空回りはどうにもならない。ギアが絡まってないのだ。

嗚呼、そもそも、飛行機に乗れるのかすら疑問だ。

もう嫌だ。

どうしてこう、時間というのは、少しの巻き戻しも効かないのか。時間め!時間め!時間め!

空港で、チケットの払い戻しや変更は効くだろうか。効いたところで、高が知れている。それに、空港まで来るのに払った電車賃がもったいない。1500円近いのだ。

それにしても、電話のオペレーターの英語は本当に聴き取れなかった。メキシコ訛りに加え、電波が悪いのだ。嗚呼、腹立たしい。

香港の10万ドルの夜景も見ずに終わった。腹立たしさと良くない思い出を残し、香港を出るのか。

沢木!お前が楽しいというから来てみたが、俺は散々だったぞ!斜に構えた文章書きやがって、馬鹿野郎。マカオなんざ高くて行けるかってんだ!!!


物価の高いところだと、ほんの少しの間違いも高くつく。間違いから何かを学ぶにはリスクが大きすぎる。
リスクを覚悟せずして失敗から学ぼうとするのは、早計というものだ。学びより後悔のが大きくなってしまうだろう。


ああ、やれやれ。


いつまでも愚痴ばかり言っていても仕方が無い。今日辛うじて嬉しかったのは、美味しいコーヒーを飲んだことである。ラビットホールコーヒーは、セントラル駅にある。10分強歩き、たどり着く。家庭用のマシンがたくさんおいてある。ラボのような雰囲気だ。カウンターはなく、大きなテーブルが中央にデンと鎮座している。食卓のように人々がコーヒーを囲み、テイスティングしていた。アメリカーノは、普通に美味しかった。驚いたのは、ガチェフの水出しコーヒーの旨さである。紅茶のようでありながら、チャイのような甘さがシロップのように口の中に広がり、感動的だった。日本でもなかなかお目にかかれない。完璧なアロマとフレーバーのバランス。初めてスペシャルティを飲んだ時のような新鮮な感銘を受けた。

エアロプレスとミル、豆を700gクレジットで買い、急いで空港へ向かった。コーヒー器具は並行輸入なのだろうか、やたら高かった。1.5倍近くした。金属フィルターをオマケしてくれた。


私は今、飛行機の中だ。隣には、ダージリンからきたインド人のおばさんがいる。香港でハウスキーピングをしていたという。辞めたんだ。と言っている。

日本には、壁の概念が歴史的に薄い。城壁には、水を用いる。水が壁の役割を果たす。

0 件のコメント:

コメントを投稿