2014年5月19日月曜日

醉いどれ天使

醉いどれ天使


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雨に濡れたでこぼこの舗装道。ギターと蚊。

結核。肺病は見た目には分からねえからタチが悪い。
気付いたときにはもうおしめえだ。

子供はチブスを怖がらない。
油の浮いた水、ぽこぽこと泡が浮いてくる。

やくざの色男、
ふん、ダニみてえな奴だなお前は。

あんな奴は足の折れた馬みてえに一思いにたたっ切るより仕方がねえな。
肺に肺に穴が相手寂しくて仕方が無いんだ。

怖い物を恥ずかしいと思うところが可笑しいのさ。
墨を入れたり、隠語使ったり、暗闇は目をつぶって駆け抜けようって口だ。

フロイト。
強い父親。

家の外は汚れた池。石油まみれの池。
岡田はギターを弾く。人殺しの歌。

変わらないのは、この薄汚い水ったまりだけか。
花を投げ捨てる。

岡、松を殺す。

医者、池に石を投げる。
それなのに、馬鹿をしでかすのがやくざなんだ。下劣だってんだ。

あんみつの娘。
理性さえしっかりしていれば、病気なんて怖くない。

達者でな。
ご機嫌よう。

あなたと二人で来た岡は。


命知らずのやくざが結核になり、彼に自己を投影した医者が救おうと努力する。
だが、やくざは濁った水たまり同様、芥や蛆やばい菌を食い止める事が出来ない。
親分に求めていた父性が偽物である事を偶然知る。
縄張りの花屋、飲み屋、あらゆるところで爪弾きを受ける。花は30円。


親分殺し。
女にギターを弾く親分に、ナイフで挑む。
だが、結核による喀血により力を失い、返り討ちに会う。
外の世界へ最後までもがくが、力尽きて死ぬ。白いペンキまみれ。

飲み屋の女と水たまりの前で話をする。故郷に帰るという。
私には、彼を救えるんじゃないかと思っていた。と涙ながらに話す。
医者も憤慨しながら悲しむ。

the end