2013年11月29日金曜日

16. バンビエン

16. バンビエン
酔っ払いにとって、素晴らしい毎日は、受動の精神。

朝8時におき、町をぶらつき、パンケーキを食べる。

バイクを借り、ブルーラグーンへ。山々が圧倒。牛の糞と石だらけの道を30分。昨日の雨のせいで、ブラウンラグーンだった。
洞窟もあった。仏陀がいた。汗だくだ。洞窟に入るまでに、急な石造りの階段を登らなければいけないのだ。
30分ほどかけて、登って降りて来た。休憩所で、カップ麺とコーラを飲む。

まだ昼の12時だった。

部屋に戻り、日本人のタッキーに話しかける。ベランダで吸ってたら、キマってきた。

ゲストハウスを出て、何処かに行こうとすると、ガタイの良い日本人に出くわす。ハンバーガー屋のノブさんのようだ。こっちにいくと、湖、反対側は山が綺麗。
川下りの観光客を載せたトラックが走る。思わずついて行く。山の方角だ。行けば、なんの変哲もない川の瀬。そこのレストランで、フライヌードルと、チキンケバブを食べる。美味。ケバブは、エビチリのような味付け。野菜がごろごろ入っている。ヌードルは、麺と油が良い感じに混じる塩焼きそばといったところか。こちらも野菜がごろごろしている。

反対側の湖は、付近までいったのだが、結局見つからなかった。

合計2時間くらいだろうか、さすがに疲れ、町へ戻り、ゲストハウスでぐうたら本を読み、明日のビエンチャン行きのバスチケットの予約をする。旅慣れてそうな日本人に会い、中国経由インドへの道を聞く。

ハッピービザを試す。

丸々1枚食べた。たいしたことない。

一時間ほど散歩する。

そうだ、お金を下ろさなければ。ATMへ。なんてこった、カードが返ってこない!またか!!3分くらいだろうか、機械は私のカードを飲み込んだままもぐもぐと音をたて、カードの返却を渋る。おい、頼むよ、返してくれよ、それは俺の生命線なのだ。許す!それまでの無礼は許すから、お願い良い子だから返しておくれ。

気が付けば、心の声が、独り言として出ていた。
アレ、俺キマってんのか?
これも声に出ている。ワーオ、すげぇ。ひとりでに笑いが出てしまう。とまらない。なにこれ不思議、ははは。でも、これは周りから見たら変人なんだろうなぁ、やばいやばい気をつけよう。

こんな調子で、ひたすら気持ちよくなっていた。

町をふらつくも、自制が効かない。このままATMで金を降ろせば、なんか取り返しのつかないことになりそうだ。

それは困る。一度部屋に戻ろう。まぶたの重みを感じる。生温かい綿を載せているようだ。一秒前の記憶がない。友達のイメージが、スパイスの効いた燃料のように、来る。そして俺をなだめ、冷やかし、笑う。深淵に沈まぬように、笑いのクロールを漕ぎ続ける。

味覚が俺を支配する。
音が俺を支配する。
感覚が俺を、触覚も俺を、自分がストーリーの主人公になった気分。視点は激しいカット割。私の視点はエクストリームクローズアップ。衝動が俺を支配。部屋はどんどん散らかってゆく。強い感覚が代わる代わる私を攻める。幾何学的な戦は立体を描き、絶えず音楽が感覚を揺らす。

メールしなきゃ、写真を撮らなきゃ、映像を撮らなきゃ、絵を描かなきゃ。ああ、だめだ。同時進行出来ない。


かろうじて、LINEした。

バンビエン
キマり過ぎてやばい。
白昼夢!!!
なんもてにつかん!
これはやばい
音が世界を支配している映画のよう
味覚やばい
触覚も。すべてきてる!
独り言が世界を支配。
一秒が支配する世界
時間を縮める
映像を支配
ジェットコースターのよう
10秒が二時間の世界
重力という概念はもはやない。
俺はそっちに戻れるのだろうか
また味覚が支配。触覚も支配。私は映像のなか。
感覚、衝動、過去が支配すふ
ゆれる。
きてる
こえー
いきあたりびったりのせかき
幻想が、行動を支配する
一曲が長え!!!
うおー

何もアウトプット出来ない。書記が欲しい。オートマティスム。知覚は鋭くなるのだが、セットやセッティングに依存する。

発信できない。受信だけの世界。風邪をひいたときのような、ぼんやりと浮かぶ世界。幻想が現実にあらわれ、現実が幻想の土台を作る。背中が熱い。おや、これは俺の体温のようだ。なんて立体的な体温だ。音が、形が、味覚が、触覚が、視覚が、すぐ、そこまで来ている。こんな時にコーヒーを飲んだら、どれだけ素敵なのか。

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